現地見学の際は、空家でない限り、持ち主もその場に立会います。せっかく、購入意欲が高まりつつある状態で見てもらうのですから、まずい応対をして印象を悪くされるのは避けたいところです。ここからは、見学者の方からお聞きした実例を交えながら、「売れる家」を「売れない家にしない」方法をご紹介いたします。
応対する人以外の方が家の中にいると、見学する方は気を使い、見学に集中できません。誰かひとりが応対をし、それ以外の方は外で待ってもらうようにした方がよいでしょう。特に奥様ひとりで応対した場合は成約率が高くなる傾向があります。相手が奥様の方が安心して質問しやすいのかもしれません。
実は、奥様が応対することの利点は他にもあります。それは、見学者の方から直接価格交渉があった場合に、「主人に聞いてみないと分かりません」とやんわり返事を保留しておけるということです。これがなぜ良いかと言うと、その場で直接価格交渉するような積極的な方の場合、1度値下げを承諾した後に「やっぱりもう少し」と担当者を通して再度値交渉する傾向があるからです。ですから、最初の段階からペースを握られないよう、返事を保留しやすい状況を作っておくのです。
どんなに営業力に自信があっても、売主による売り込みは禁じ手です。普通、仲介業者と見学者は買う買わないという話を売主の前では行いません。売主を目の前にしたプレッシャーの中では、見学者が正常な判断ができなくなるからです。
自慢話も禁物です。「ここには特別にお金をかけた」とか、「眺めが良い」などということをアピールしたい場合は、仲介業者の担当者の口から言わせるように打合せをしておくとよいでしょう。また、売却理由を聞かれて「新築を買うから」と素直に答えた場合でも、それを自慢話ととられてしまうことがあるので、注意が必要です。
間を持たせようと気を遣ったのが災いして、自分が見学者なら絶対に言われたくないであろう禁句を思わず口にしてしまうことがあります。世間話をするなら、家や近所のことを話題にしない方が無難です。
引越の時に手放すものはできるだけ早めに処分しておき、残った荷物は縦に積むなどして、部屋の広さが分かるようにスペースを作った方がよいでしょう。また、壁に掛けているカレンダーなどは、キズ隠しだと勘違いされる場合があるので、外しておいた方が無難です。
水回りの状態は、ほとんどの女性が一番に気にするところです。いくら新しい物件でも水回りが汚いと魅力が半減してしまいます。水回りは売主の奥様から買主の奥様へ引き継がれるバトンだと考えて下さい。気持ちよくバトンを受け取ってもらえるよう家族全員で力を合わせて清潔にしておきましょう。
まず、第一印象は玄関です。履物はひとつ残らず下駄箱にしまって下さい。マンションの場合、エントランスやエレベーターも自宅の一部だと思って、きれいになっているか予めチェックしておいた方がよいでしょう。
どんなに陽当たりのいい家でも、暗くて見にくい場所は必ずあります。事前に家中全ての電気をつけておいて下さい。また、陽の光が遮られるので洗濯物もしまっておいた方がよいでしょう。
バルコニーへ出るお客様は購入意欲満々です。せっかくのそのチャンスをふいにしてはいけません。バルコニーも商品の一部ですからキチンと片づけと掃除をしておいて下さい。
Copyright(c) タカセ不動産株式会社 All Rights Reserved