不動産を売却したいとお思いの方はたくさんいらっしゃいますが、売却を考える動機や抱えている事情は千差万別です。「知り合いの○○さんはこうだったから」といってみても、そのやり方で同じようにうまくいくとはかぎりません。
そうは言っても、「売り方」にはある程度の共通項があります。急いでいるとき、高く売りたいときなど、それぞれの場合に適した「売り方の型」が存在します。すべての場合に応用できるわけではありませんが、様々な選択肢を知っておくに越したことはありません。ここから先は、数ある「売り方の型」の中から、一部を取り出し、ケースごとにご紹介したいと思います。
手持ちの不動産をすぐに売却して換金したいというケースでは、時間が最優先されます。仲介の場合は、「いつ」「いくらで」売れるか不確定なため、こういったケースには馴染みません。したがって、業者に買い取ってもらう方法が最も安全で確実な方法といえます。
査定を依頼する際には、仲介の場合と同じように数社に依頼した方がよいでしょう。ただ、仲介の査定の場合と大きく違うのは、「買取り査定額=売れる価格」ということです。ですから、買取りを依頼する際は、信頼できる業者の中から、査定額を基準に選ぶのが一般的です。
売りたいけど、そのことは誰にも知られたくないという方は、たくさんいらっしゃいます。この場合、チラシやインターネットなどの広告に物件情報を掲載して広く購入希望者を募ることはできないため、条件にマッチする購入希望者がすでにいる場合を除いて、売却期間が長期化する傾向があります。
「時間はかかってもいいので、比較的高値で売却したい」という場合は、仲介で売却することを選んでも間違いではありませんが、「売れるまで時間がかかるのは困る」「確実に売却したい」という場合は、業者に買い取ってもらう方がよいでしょう。
その場合、手取りの収入は1割から2割低くなってしまいますが、仲介手数料もかかりません。2週間程度で現金化することができます。
古くなったため、建物としての価値がほとんどない場合は、大規模なリフォームを施さない限り売却が難しくなります。そうかといって、リフォームに先行投資するのはリスクが伴うし、その分、手取りの収入が減ってしまうわけですからとても悩ましいところです。
ところで購入後、建物に不具合が見つかった場合は売主がその責任を負います。これを「瑕疵担保責任」と呼ぶのですが、売主が個人の場合、瑕疵担保責任がおよぶ期間は、購入から2ヵ月間に限られています。また、瑕疵担保責任を負わない契約をすることも可能ということもあって、個人から古い家を購入することを敬遠される方もいらっしゃいます。
しかし、業者に買い取らせた場合、その業者は少なくとも2年間の瑕疵担保責任を負う義務があるため、買主側のリスクが小さくなり、比較的容易に売却することができます。
この場合、もちろん元の売主はリフォーム費用も仲介手数料も負担する必要はありません。
業者に買い取らせることを選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか?
「中古住宅にも品質の高さが求められる時代になりました。だから、事前にお家をリフォームしてグレードアップした方が断然有利ですし、高く売れるんですよ」そう言われたことはありませんか?でも、リフォームしたからといって売れるという保証はどこにもありませんし、そもそも先行投資できるだけの余裕があるケースは稀です。そこで、これまでは、リフォーム券を付けて売却し、購入した方が後からリフォームする方法が多くとられてきました。しかし、実際に購入希望の方が中古住宅に求める水準は年々高くなってきており、古い建物は原状のまま売却するのが困難になってきているのは事実です。そこで、一部の不動産会社では、売主に代ってリフォーム代金を立替え、先にリフォームを施した状態で売却し、その売却代金から費用を後払いしてもらう制度を導入しています。
ローンの返済が滞ったままの状態を放置しておくと、債権者に返済の見込みがないと判断され、競売にかけられることがあります。競売の落札価格は市場価格を大幅に下回ることがほとんどなので、多額の残債務が残った状態で競売にかけられた場合は、家を失ってなお、残りの債務を払い続けなければならないことになります。
さて、競売にかけられるまでにとるべき手段の1つとして、「任意売却」と呼ばれるものがあります。「任意売却」とは、ローンの支払いが困難になった場合に、債権者の同意を得て市場価格で売却することです。競売よりも高い価格で処分できるため、残債務を少なくすることができます。競売にかけられたり、自己破産のことを考える前に、なるべく早く不動産会社に相談されることをお勧めします。
家族が増えるとそれに従って、家財も増えます。かつて広々としていた家もあっという間に手狭になってきます。しばらくすると、もっと広い家に引っ越して、窮屈さから解放されたいという思いが強くなります。特にマンションの場合は間取りの変更はできても広さを変えることはできないのでなおのことでしょう。
さて、広い家に住替えようと思っても、持ち家の売却代金でローンの残高を支払いきれないことがあります。一定の年収があることが条件になりますが、残った残債務分と住み替え先の購入資金を合わせて借り入れすることができるローンもあるので、活用してみるのもよいでしょう。
「郊外に一軒家を持っているけれども、子供も独立して夫婦だけになってしまった。2人では広すぎるし、年をとったら不便になる。今のうちに便利な都市部のマンションに引っ越しておきたい」このように、持ち家を売却して、その代金でマンションを購入し、差額を老後の生活資金に充てるという生活設計をする方は大勢いらっしゃいます。
時間にゆとりがあるなら、普通に仲介で買い主を探しながら、自分の住み替え先を探すことができます。その一方で、既に住み替え先に目星がついているがその物件がいつまで残っているか分からないなど、時間に制約がある場合は少し事情が異なってきます。
つまり、手持ちの資金だけで住み替え先を購入できる場合を除いて、多くの場合は、持ち家を売却した代金で住み替え先を購入するわけですから、持ち家がどのタイミングでいくらで売れるかによって、その先の予定が違ってきてしまうのです。
そこで、この「いつ」「いくらで」という2つの要素を確定させるために有力なのが「売却保証」という仕組みです。「買取保証」という言い方をされる場合もありますが、要するに、一定期間内に仲介で売れなければ、予め決めておいた価格でその仲介業者が買い取るという約束で行われる媒介契約のことです。これにより、「いつ」「いくらで」売れるかの目途が立ち、資金計画や住み替え先の選定がしやすくなるのです。
空き部屋をそのままにしておくのは何かとやっかいです。特にマンションの場合、固定資産税に加えて管理費や修繕積立金がかかります。住んでいなくともこれらの費用は確実に負担しなければなりません。将来的に使うかも知れないという理由で、売却をためらううちに長期間空家にしてしまうケースが多いようです。しかし、なにも売却するだけが選択肢ではありません。売却できないなら賃貸することを考えてみてはどうでしょうか?賃貸収入は固定資産税や管理費・修繕積立金に充てるだけでなく、ローンの返済にまわすこともできます。また、定期的に繰り上げ返済に充当すれば、支払利息をかなり軽減できます。
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