不動産会社にアプローチする前に、自分でもその相場を知っておきたいという場合は、折り込みチラシやインターネットを利用するのが最も手軽です。該当する地域の物件の情報をいくつか収集し、しばらく追いかけてみて下さい。成約になった物件は広告掲載から外されるので、その時の価格が売買された価格に最も近いということになり、そこからある程度の相場を推測することができます。
不動産会社には過去に成約した事例(成約事例)の情報が蓄積されています。
成約事例は査定価格を算出する際にも使われる情報ですが、
依頼すれば提供してくれる不動産会社もあるので、利用してみるのもよいでしょう。
ただし、成約事例はあくまで、過去の事例ですので、
それだけで現在や将来の市況を正確に読み取ることはできません。
また、その中には、さまざまな事情があって、相場よりかなり高めの価格で売却されているものも含まれます
。こういったものを見極めるのには、かなりの経験が必要ですので、いずれにしても参考程度にとどめておいた方がよいでしょう。
机上査定(きじょうさてい)とは、現地調査をせずに地域や築年・面積など現地調査をしなくても手に入る情報だけを使って行われる査定のことです。
最近の取引事例など、現在の市況を踏まえて算出されるので、より現実的な相場を知ることができます。
不動産業者に訪問してもらう必要がないので気軽に申し込むことができます。
ただし、建物の状態など目視で確認すべき要素は加味されていないので、最終的には、訪問査定を依頼して正確な査定価格を算出してもらった方が
よいでしょう。
不動産業者の査定員が現地に出向き建物の内外装や周囲の状況をチェックします。現地調査にかかる時間は通常20~30分程度とそう長くはかかりません。査定員は調査した情報を一旦持ち帰り、様々な角度から査定価格を算出します。1日~2日程度すると、「査定書」という書面とともに査定結果を報告してくれます。査定価格の算出方法は専門的で分かりにくいのですが、他の業者の査定結果と比較するためにも、不明な点があれば、納得いくまで説明してもらった方がよいでしょう。査定してもらう不動産業者は2~3社程度で十分です。
複数の業者に査定を依頼した場合、それぞれの査定価格にはばらつきがあるのが普通で、思いのほか高額の査定結果が出る場合もあります。予想外に高い査定額が出ると誰でも嬉しくなりますが、実はここに大きな落とし穴があります。売却に失敗したり、悔いの残る結果にならないようにするには、ここでの冷静な判断が重要になってきます。
「売却する限りは1円でも高く買ってもらいたい」という心理があるので、どうしても「査定価格は高ければ高いほど良いに決まっている」と考えてしまいがちです。
しかし、ここで注意が必要なのは、「査定価格」≠「売れる価格」ということです。
「査定価格」とはあくまで、仲介業者が「これくらいなら売れるだろう」という金額に過ぎず、その価格で売れることを保証するものではありません。
相場より高い価格設定をしてしまった場合に問題になるのは、結局、適正な価格になるまで何度も価格変更しなければならないということです。
こうなると、余計な時間がかかる上に、「売れ残った物件」という印象が強くなってしまいます。そのため、相場を割り込むまで価格を下げたにもかかわらず、なかなか売れないという事態に陥ることもあるので注意が必要です。
売主と買主を仲介する不動産業者のことを特に「仲介業者」と呼びます。
仲介業者を選ぶ際には、インターネットや周囲の評判などから会社の信用性、規模や知名度、広告にどれだけ力を入れているかなどについて、自分で調べておきましょう。
ここでは、会社の信頼性や規模を知る簡単な方法を1つだけご紹介します。
いわゆる宅建業者は免許制で、それぞれ一意の免許番号というものを持っています。
例)国土交通大臣(2)第○○○○号
上が免許番号の例です。先頭にあるのは、免許の届出先です。複数の都道府県で営業している場合は、ここが「国土交通大臣」となり、1つの都道府県でのみ営業している場合は、「○○県知事」となります。
次に、()カッコの中にある数字ですが、これは免許の更新回数を示しています。最初が「1」で5年ごとの更新の度に1つ番号が増えるので、例示の場合では少なくとも5年間は営業を続けているということになります。ちなみに以前は3年ごとの更新だったので、古くからの業者は社歴と年数が合わないことがあります。
仲介業者は信用が第一です。名前が知られている業者ほど、 悪い評判が立つのを嫌い、サービスの質に気を遣っている 場合が多いので、知名度で選ぶのも悪くないかも知れません。 しかし、残念ながら、有名な大手の業者であっても、応対が 不親切であったり、強引な営業をしてくる場合もあります。 家が売れるまでの間、ずっと付き合っていく相手です。できる だけよい関係を続けて行ける業者を選んだ方がよいでしょう。
媒介契約とは売主が仲介業者に対して、買主を見つけてくれるように依頼するものです。媒介契約には3種類あります。 そのうちのひとつが「一般媒介契約」(以下、一般)です。これは、同時に複数の仲介業者に媒介を依頼できるもので、幅広く買主を募ることができます。 2つ目が「専任媒介契約」(以下、専任)です。これは、ひとつの仲介業者にだけ媒介を依頼できるもので、 仮に他の仲介業者が買主を見つけた場合でも、専任媒介契約を結んだ仲介業者が窓口となって売買契約の締結を行います。 最後が「専属専任媒介契約」(以下、専属専任)です。これもひとつの仲介業者にだけ媒介を依頼できるものですが、 売主本人が自力で買主を見つけた場合であっても、その仲介業者を通して契約を締結する必要があります。
仲介業者は「一般」に比べ、「専任」や「専属専任」により多くの広告予算を割き、積極的に販売活動を行おうとする傾向があります。 その理由は、仲介業者が報酬を得る仕組みにあります。 「一般」の場合、複数の仲介業者が買主を探しているのですが、仲介手数料を手にすることができるのは、買主を見つけてきた仲介業者だけです。 一方「専任」や「専属専任」の場合、他の仲介業者が買主を見つけてきたとしても、売主側からの仲介手数料は必ず受け取れます。 つまり、仲介業者にとってみれば、「一般」は骨折り損になる可能性があるのに対し、「専任」や「専属専任」は確実に収入が見込めるため、 多額の広告費をかけて販売活動を行うことができるのです。
売り出し価格を決定するには、自分が「売りたい価格」と業者が提案した「売れる価格」を調整する必要があります。 先にお話ししたとおり、価格設定を誤れば、売却が長期化したり、納得いく価格で売れなかったりする恐れがあります。 ここでは、自分の希望を織り込みつつも、冷静な判断が求められるのです。
販売を開始すると、仲介業者はインターネットや折込チラシなどに物件広告を掲載し買主を募集します。
インターネット・紙媒体、いずれの場合でも情報の正確さや物件写真の見映えが結果を大きく左右します。
仲介業者に任せきりにせず、自分の目でしっかりチェックすることをおすすめします。もし、記載に間違いがあったり、
写真の写りが悪かったりしたら、すぐに仲介業者に連絡し、改善を求めましょう。
一戸建の特徴は、物件周辺から購入希望者が見つかることが多いということです。 それは、近隣で広まるクチコミの影響力の大きさを証明しています。そして、このクチコミの起爆剤になるのが看板やノボリです。 インターネットやチラシは見ようと思わない限り、目に入ってきませんが、看板やノボリは、売り出したその日から、 24時間休むことなく人の目に触れ続け、物件の存在をアピールしてくれます。
入居中からでも看板やのぼりを設置しておけば、早期売却の可能性がさらに広がります。
仲介業者は、売主に対して、物件の販売状況について定期的に書面で報告する義務があります。 専任媒介契約の場合は2週間に一度、専属専任媒介契約の場合は1週間に一度です。 報告書には、反響がどれだけあって、何組案内したかなどの販売状況が記載されており、一定の情報が得られます。
書面からは読み取れない情報もたくさんあります。担当者の熱意を確かめるためにも直接話を聞くのがよいでしょう。
購入希望者が現れ、価格や引渡し時期の調整を行った後に、契約を交わします。契約時には、買主から手付金を受け取ります。手付金は売買代金の1割程度が一般的です。ちなみに、この手付金には解約手付の意味があり、買主側から契約を解除する場合は、手付金を放棄することで行われます。一方、売主側から契約を解除する場合は、手付金の2倍の額を支払うことで行われます。
契約の際、仲介業者に支払うのは、仲介手数料の50%です。残りの50%は引渡し(決済)の時に支払います。なお、仲介手数料は次の計算式で求められます。
(A)税抜き売買代金のうち400万円超の部分×3%
(B)税抜き売買代金のうち200万円超~400万円以下の部分×4%
(C)税抜き売買代金のうち200万円以下の部分×5%
仲介手数料 =(A+B+C)×1.05
引渡し(残金決済)は銀行で行われ、売主と買主、仲介業者、それに司法書士が同席します。ここでは、売買代金の授受・固定資産税の 精算・書類のやりとりが行われます。権利証や印鑑登録証明書など、重要な書類を用意する必要があり、これらの書類を忘れると手続ができなくなります。 あらかじめ担当者に持参するもののリストを作ってもらい、必要な書類はなるべく早めに用意しておきましょう。 最後に、仲介業者に残りの仲介手数料を支払えば、取引の完了です。
引渡し前には、これまで住んできた家をねぎらうつもりできれいに
掃除しておきましょう。家を購入された方も気持ちよく新しい生活が始められます。
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